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第16話 二人の甘い時間②

last update Последнее обновление: 2025-07-08 17:01:45

 そして、聖はみるみる元気を取り戻していき、無事に退院することができた。

 聖は話をするため、さっそくさくらを部屋に呼び出した。

「さくら、まだメイドやめてなかったんだね」

 メイド服姿のさくらを見て、聖がつぶやく。

 さくらは聖の婚約者になったのだから、もうメイドでいる必要はなかった。

「はい、だって何かしてないと落ち着かなくて。

 いいんです、私はこの仕事が好きだから」

 誇らしい笑顔を向けるさくらに、聖は嬉しそうに微笑み返す。

「さくらがしたいなら、すればいいよ。僕もさくらのメイドは似合ってると思う」

 しばしの沈黙の後、聖は急に真剣な表情になった。

「さくら。……僕にずっと隠してることあるよね?」

 ドキッとした。

 さくらは高鳴る胸を抑え、必死に動揺を隠す。

 しかし、もう言わなければいけない、それはさくらにもわかっていた。

 意を決して、口を開く。

「聖様、ごめんなさい、私――」

「未来が見える能力」

「え……」

「……だろ?」

 さくらは驚いて聖を見つめる。

「さくらが僕に何かを隠して苦しんでいるのはずっとわかってたんだ。言ってくれないことが寂しかったよ、信頼されていないのかって」

「そんなことっ」

「わかってる。恐くて言えなかったんだろ? 僕に嫌われるんじゃないかって」

 さくらは聖のことを真っ直ぐに見れず、視線を逸らしながら頷いた。

 聖が能力のことをどう思っているのかが気になる。

 戸惑うさくらの腕を掴み、聖がさくらを引き寄せる。

 さくらは聖の腕の中にすっぽりと収まった。

「馬鹿だな……。僕がさくらを嫌うと思う? 離れていくと思う?

 それは絶対にない。

 ――反対に考えてみて、僕がもしその能力を持っていたとしたら、君は僕を嫌いになって離れていくの?」

 聖の問いに、さくらはおもいきり頭を横に振る。

「いいえ! 聖様のことを嫌うなんてありえません。

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